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・ 選手村勤務で得たもの
とにかく、素晴らしい体験だった!という一言に尽きます。知らない土地で、初めて会う人達と仕事をするわけですから、最初は不安がありましたが、共通の目的、職業を持った人達との交流は、知識の交換という意味でも、技術的にも非常に勉強になりました。また各国における代替療法事情が垣間見えた気がします。日本人のきめ細やかな技術が世界に通用するということも実感でき、大きな自信になりました。
・ 選手のケアにあたり
私は普段はアスリートよりも、一般の方の施術を行う機会の方が多いのですが、各国の選手のケアをしたことで、働きかける部分がまったく違うのだということを改めて実感しました。そして、どう具体的に違うか、どのような施術が求められているのか、今まで漠然と分かったつもりでいた事が、とてもクリアになりました。それから、これは帰国後アスリート以外の方をマッサージして、余計感じた事です。当たり前のことなのですが、アスリートのテンションは最高潮に上がっているといることです。彼らの表情や会話の感じではさほど緊張を感じませんでしたが、筋肉や神経系の緊張はやはりひどく、リラックスさせるのが難しかったです。その上アスリートはリラクゼーションマッサージよりも、ストロングなマッサージを希望します。正味25分という短い施術時間の中で、「効果的に筋肉をほぐし、なおかつ適度にリラックスさせる施術」に慣れるのに少し時間がかかりました。
しかしここでアロマを使えたことによって手技のフォローと微調整ができ、大変役立ちました。背中のマッサージを希望する選手が多かったです。
・ アロマセラピーと選手の関わりについて
アロマテラピーを普段からケアとして活用している選手は、私が担当したアスリートの中には一人もいませんでした。しかし、施術をしながら精油の効能を説明すると興味を持つ選手も多いのは確かでした。ただほとんどのアスリートはリラックスしたがっていて、マッサージに「香りがあるほうがリラックスできるね」と言って喜んでいたようです。特に重宝したのはラベンダーとパインのオイルです。是非これをきっかけに積極的に使用して言ってほしいと思いました。
・ アンケート調査から
各国の選手にアンケートを実施しました。英語をまったく話さない選手もいたので、全身にインタビューすることはできませんでしたが、かなり今まで業界で言われていた事とは異なる現場の事情を見ることが出来たと思います。私は先進国の選手やコーチにはアロマテラピーを知っている人の数が多いのですが、アロマに関する詳しい知識は乏しいように感じました。セルフケアとして、アロマオイルを使用している選手もいましたが、どんな植物が使われていて、どんな効能があるのかまでを理解した上で使用している選手はほとんどいませんでした。結論としては、スポーツのケアにアロマを本格的に取り入れているのは、世界でも日本だけかも知れないという事です。もともとアロマテラピーはヨーロッパ発祥ですが、あまりに歴史が古いため、生活の中にはしっかり根ざしているのですが、取り立てて学問として研究したり、新しく発展させようという試みはむしろ日本の方が進んでいるようです。これは本当に意外でした。
他の国のフィジオセラピストやスポーツセラピストからも話しを聞くことができたのですが、マッサージに使用する基材、オイルやクリーム等の品質に特にこだわらずに遣っているトレーナーやセラピストが多いということで、驚きました。
・ 協会員として五輪参加を終えて
23日という長い期間、勤務自体は決してありませんでしたが、慣れない土地での生活です。食事から何から勝手が違います。その中でいかに体調をキープしつつ、施術に集中できるかがポイントでした。海外のセラピストは「押し」が強いので、その中で調和しつつ、自己主張していくことも学びました。日本人のメンタリティについても考えさせられました。その中で、日本人のセラピストがどう見られているか、どう見られたいか。についても考え、日本人にしかできないマッサージをしてやろう!!という気持ちで取り組みました。後半はマッサージルームも好きな場所を選べ、整備された環境で自分のマッサージが気持ちよく出来ました。
選手村の、スポーツという共通のテーマでつながった爽やかな空気は素敵でした。これはオリンピックならでは。マッサージセラピストとしてこのイベントに参加できた事を誇りに思いますし、また必ず聞きたいと思います。次回に向け、自分の技術、精神ともにタフに鍛えておきたいです。
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